【旬】「白すぎる」と賛否両論?姫路城見るなら今秋(2014)がおすすめ!その理由は?
2016/04/04
先日もNHKで姫路城の覆いが取れて
「城の全貌が見れるようになった」と報じられた姫路城。
『白すぎる姫路城』 『白すぎ城』などと、
続々と『白すぎる』と賛否両論の意見が出ているようです。
「大天守の再オープンは平成27年3月27日を予定しています」と
アナウンスされている現在ですが、姫路城を見ておくなら断然今秋がお勧めです。
2016/04/04追記
再び、白すぎ城の話題が盛り上がっているようなので、追記します。
概要(見出し)
姫路城(白鷺城)の本来の姿ははかない
今月の姫路城として以下の投稿でご紹介しました。
どうですか?
白鷺城と言われる所以が分かるほどに白く輝いています。
2015/05/10追記
「この写真じゃ全然輝いてない」って言われそうな気がするので、
以下に差し替えます。
この姿は本当に美しいと思います。
個人的には『白すぎる姫路城』という印象はあまり感じていませんが、
いい印象を持っていない人も多いようです。
改修後の姫路城から見る年月比較
ではこの姫路城を正面から見てみます。
西小天守と改修後姫路城比較
右が改修後の姫路城です。左に見える小さな城のようなものは、
三小天守のうちの一つ「西小天守」です。
西小天守の屋根がシックな黒になっているのが見て取れます。
瓦の目地に盛られた漆喰が、瓦の色と馴染んでグレーや黒になっています。
拡大してみるとその違いがよくわかります。
「西小天守」の屋根の改修を行った時期は2000年度(平成12年)だということです。(*1)
その年月差は「14年」です。
14年という年月を経ると、このくらいになるというのもなんとなくイメージが湧くと思います。
では、違った部分でさらに比較してみましょう。
ワの櫓と改修後姫路城比較
ワの櫓とは姫路城の内堀西側のある櫓で、春の桜がしだれて見える非常にきれいなスポットです。
(撮影2014年4月)
さて、2014年4月と言えば、ついこの前のような感じがしますが、この櫓に寄ってみてみます。
角度的に桜がメインだったこともあって屋根が少し見にくいですが、
屋根の白さがなんとなくわかるのではないでしょうか。
(撮影2014年4月)
では、現在(2014年7月)の「ワの櫓」に寄ってみます。
結構白い部分が減って、グレーや黒の部分が増えているのが分かります。
それぞれで比較をしてみます。
距離が違うので縮尺がすこし違いますが、その差は明らかです。
左が「ワの櫓」です。右が「改修後の大天守」です。
「ワの櫓」の改修は、2013年度(平成25年)だということです。(*2)
拡大してみるとよくわかります。
その年月差は たった「1年」違い なのです。
1年という年月を経るただけでも、これだけの差が出てしまう場合もあるのです。
必ずそうなるわけではないが
あくまでも漆喰塗が年月とともに経年変化などをして、こうした色合いに変化していきます。
「城郭研究センター」のご担当者の方のお話では、以下のようにおっしゃっていました。
直接私どもが調査したわけではないのですが、
漆喰が黒くなったりする原因は、コケやカビのようなものが付着することによって、
色が黒くなっていると言われています。「ワの櫓」の漆喰が黒くなってきているのもその為です。
「大天守」の方も同じように年月を経て黒くはなっていくものと思いますが、
今回の大改修で「大天守」にはこうしたカビなどの発生を抑えるように漆喰に薬を混ぜています。その為、「ワの櫓」などよりも白さを長く維持できるものと考えています。
ただし、あくまでもやってみないとわからない部分もあります。
より長くこの白さを保って欲しいと思っています。
(電話によるヒアリングのため、意訳等一部不正確な部分があります)
「白すぎる姫路城」と言われてはいますが、
逆に現場ではこの白さをできるだけ長く保てるような努力をされているのだと知りました。
1年後に「ワの櫓」のような落ち着きを魅せてくれるのか、
それとも、1年後にもまだまだ白さを保っているのかは、誰にもわかりません。
時間だけが教えてくれます。
2014/10/28追記
その後、小天守が黒ずむまでにかかった期間に関しての記載を見つけましたのでリンクしておきます。
神戸新聞NEXT|社会|姫路城白過ぎ!? 「違和感」の声も… 漆喰一新「本来の姿」 (引用抜粋)
こうした“白の衝撃”は、実は大修理担当者らの狙い通り。「真の姿」を少しでも長く守るため、新技術も導入していた。
大天守に先立ち漆喰が塗り直された小天守は約1年半で黒ずんでしまった。今回、大天守の覆いが取れ始めてから公開までは1年以上あり、公開時には純白がくすんでしまう恐れがあった。そこで、漆喰全面に防カビ剤を塗布。3年ほどは白さを保つ効果が期待できるという。
小天守の黒ずみはたったの1年半で黒ずんでいたのですね。
ワノ櫓の変わりっぷりも頷けます・・・。
今回の対策の効果で長く白い姿を維持して欲しいものです。
今秋がお勧めな理由
今秋がお勧めと言うのは言い過ぎなのかもしれません。
来春のオープンまで待っても白さを維持できているかもしれません。
本来の姫路城の姿のはかなさ
こうしてみると「白すぎる姫路城」は自分が生きている間には、
おそらく今しか見られれない「本来の姫路城」の姿なのだと思います。
そうでなければ「白鷺城」などという異名は付けられなかったでしょう。
これが「姫路城」なのです。
それも、この白さを見られるのは、1年か、2年か、5年なのかは不確定なのです。
逆に白さを失った時点で、次の改修までは本来の姿を見ることができなくなるでしょう。
きっとその時には、生きていないと思います。
オープンしたら行こうと計画している人も多い
姫路に住んでいると、旅行でこっちに来るといった話をされる事があります。
そんな時に必ず言うのが「城がオープンしてからの方がいいんじゃない?」です。
確かに城の内部に入れるようになるのは、
2015年3月27日からとアナウンスされています。
姫路城が再オープンしてからの混み具合は相当なものになるはずです。
なんといっても「世界遺産」ですからね。
この人の少なさは外からの雄姿を写真に撮ったり、眺めるには絶好のチャンスです。
「城の内部に入れない」というデメリットに目をつむって、
美しい姫路城を眺めるには、人の少ない今がお勧めです。
今のオープンしていない姫路城であっても、週末や祝日は結構混んでいるのが現状です。
以下の投稿でご紹介している人のいない桜門橋などは、まず週末には撮れません。
平日の夕方などの時間帯を狙っていく必要があると思います。
これも当然、姫路城がオープンしたら、
週末や平日でもこうした人のいない状況は、皆無になってしまうでしょう。
人が少なくゆっくり過ごせるのは、断然オープン前がお勧めなのです。
逆に、オープンした後であれば、あとは何年後に来てもほとんど状況は変わらないでしょう。
クレーン工事の終了予定が2014/08~2014/09月予定
現在の姫路城ではこれまで城を覆っていた鉄骨の覆いが取れ、
鉄骨の覆いを支えていた基礎の分解と搬出が行われているとのことです。
その為、平日の昼にはクレーンが城を遮ってしまうことも多くあります。
これでは、さすがに絵になりませんね。
逆にこれはこれで、将来見ることのできない絵図だとは思いますが、
旅行先でこうした状況は避けたいのではないでしょうか。
ましてこうなると、がっかり感は半端ないですね。
そんなわけで、この秋を過ぎたぐらいのクレーンの撤去が完了した時期がお勧めです。
2014/10/26追記
その後、城の前にまであった構台(ステージ)が撤去され、
2台のクレーンのうち、1台(しろまるひめ号)が解体・撤去を終えています。
より一層、姫路城の写真撮影が楽になりました。
2014/11/15追記
その後、昨日姫路城に行ったところ、最後に残っていたクレーンも下されていました。
いよいよ、作業構台の最後の1スパンの解体が行われて、
より一層姫路城の撮影がしやすくなります。
城のライトアップは既に行われています
夜間は現在(2014/07/03)も既にライトアップされています。
まだ夜の姿を撮影してはいないのですが、
近々撮影してご紹介したいと思っています。
姫路市|姫路城ライトアップのご案内 (抜粋引用)
姫路城のライトアップの電球は、全部で279灯あり、年2回交換しています。
日没から午後10時まで点灯しています。(節電対策 午前0時⇒午後10時)
- 4月1日~10月31日=白色系
- 11月1日~ 3月31日=暖色系
2015/05/02追記
現在は、ライトアップの時間が延長されています。
旅の行先に姫路城という選択を加えてみてはいかがでしょうか。
2014/07/19追記
姫路城の夜景を撮影してきました。
以下でご紹介しています。夜の佇まいもいいもんです。
さいごに
何気なく始めたこの月1回の姫路城撮影投稿ですが、
春から段々と姿を現していく様は、やっぱりわくわくする感じがありました。
今後は、工事が終わり城自体に変化を見て取れることは少なくなるかもしれません。
しかし、季節の移ろいと城の姿を今後も撮っていきたいと思っています。
また、城をいろんな角度から撮影してみたいとも思っています。
これからもよろしくお願いします。
*1: 「姫路城管理事務所」改修ご担当者さまへのヒアリングによる。
*2: 「城郭研究センター」ご担当者さまへのヒアリングによる。
尚、改修前の大屋根を天空の白鷺から撮影した画像を以下でご紹介しています。
改修前後の比較が分かります。
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