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ウソップに重なる愛、姫路城は愛され続けクラバウターマンが宿る?!

      2017/12/25

姫路城内の天守各所で昭和の大改修に携わった
職人たちの精一杯の想いを感じ取ることができます。

姫路城は1609年(慶長14年・2015年現在で築406年)に、
池田輝政によって築城されたとされています。
建築開始の1601年(慶長6年)から約8年かけて築城されました。

既に築400年を超えた姫路城は1956年(昭和31年・築347年時点)に、
大天守の昭和の大改修(解体修理)が行われて現在に受け継がれてきています。

 

昭和の大改修から重なる、ウソップの想い

初めて姫路城を訪れて、大天守内に入った際には、

世界遺産・国宝としての姫路城の存在を、
少し疑ってしまうような部分を目にすることがあるかもしれません。

大天守内の至る所に修復の跡が現れています。

大天守内補修の痕跡

登閣口から小天守をぐるっとまわり、
大天守の中に入ると腰高の位置には六葉釘隠しが取り付けられています。

六葉釘隠しのすぐ下辺りを見ると、
長い年月で錆びてしまった金物などが飛び出ているのが見えます。

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大天守1階補修金物

 

視線を上に向け、スケールのある梁などを見上げてみても、
多くの金物で補強された跡が露出しています。

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大天守1階梁部補修金物

 

大天守4階の破風手前の拡大です。
ボルト止めされ飛び出しています。

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大天守4階補修金物

 

姫路城の大天守内見どころの一つである「3階西大柱」です。
金属のバンドで巻かれた痛々しい姿です。

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大天守3階西大柱接合部

 

この柱は地階から伸びてきて、
3階で上下の柱を継ぎ合わされ、5階まで伸びています。
接合部の補強としてこうした金物が施されています。

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大天守3階西大柱接合イメージ

 

そのまま上階まで伸びた柱は5階の天井部が上端になっています。
西大柱の上端部には梁を受ける部分に金物が取り付けられています。

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大天守5階西大柱上端

 

対に配置された東大柱も同様です。

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大天守5階東大柱

 

同じように上端部が補強されています。

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大天守5階東大柱上端

 

修復の箇所はこの限りではありません。
天守内の至る所で見られます。

痛々しいと感じてしまう姫路城

私は初めて姫路城の内部を見たとき、

「この修復の金物は・・・痛々しい・・・」

「こんな状態で国宝で、世界遺産なのか・・・」

そう感じました。
すみません、これが素直な感想です。

 

でも「時代」なんですね。

こうした修復の跡は1956年(昭和31年・築347年時点)頃に行われた、
「昭和の大改修」の際の補強金物だと言われています。

当時は「剛接合」が強度的にも強いと考えられた時代です。

できる限りこうした金物で接合部を補強がすることが、
当時の正しい選択だったのでしょう。

 

立証なんてできるものではありませんが、

「こうした補強があったから今の姫路城が残った」とも考えられます。

 

美意識や建造物の再現性を重視するあまり、
建造当時のままを限りなく再現していたら、
今はもう崩壊して現存すらしていなかったかもしれません。

姫路も過去にそれなりの地震を受けてきています。

 

つい、重ねて見てしまうウソップの修復

こうした荒っぽい修復(失礼)の跡を見ていると、
どうしてもワンピースのメリー号に重ねて見てしまいます。

メリー号をひたすら修復してきたウソップの荒っぽい補修跡・・・。

崩壊寸前だったころのメリー号(フィギュア画像より)

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メリー号

(出展)ワンピースをもっともっと知りたい!|SKARB(スカープ)ガイドブック
    http://www.skarb.jp/sp/image/column/merry2.jpg

(プレミアムバンダイ・公式)超合金 ゴーイング・メリー号 | 魂ウェブ

 

先端のメリーさんの首の補修跡といい

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メリーさん先端

 

折れたマストの傷跡といい、どこか重ねて見てしまいます。
(世界遺産をそうやって重ねちゃ失礼だとわかってますけど)

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マスト部の補修イメージ

 

現存していることが奇跡

過去の修復のお陰で今の白鷺城が見れていると言うのも、
理解しているつもりです。

 

西大柱や東大柱に使われている材は、
樹齢600年の巨木だと言われています。

そんな材が易々と手に入るわけもなくこうした修復を、
そのままにせざるを得ない部分も分かります。

柱が600年に対して、姫路城が築400年ですから、
こうした文化財を維持することがどれほど大変かと。

・・江戸、明治、大正、昭和、平成と脈々と修復され受け継がれ、
こうした天守からの眺望が守られてきたのです。

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大天守6階眺望

 

戦火からも奇跡的に残った姫路城

当然、70年前(たった70年に感じる)の戦火からも、
奇跡的にこの姫路城は残りました。

当時の姫路市民はB29の空襲から守るために、
姫路城の天守などに対して黒色のネットで覆いをして、
その白さを隠し、夜の闇に溶け込ませるように工夫したとの事です。

 

今も残る戦争の記憶

姫路城に覆いをした当時の名残を、
今の「西の丸」で見ることができます。

西の丸の「レの渡櫓(百閒廊下入口付近)」を見上げてみると、
庇のすぐ下辺りに、L字の金物(釘)が何本も出ているのが見えます。

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西の丸・レの渡櫓に打たれた釘

 

このL字の部分をフックに利用して、黒いネットを引っかけて覆いをしたと言います。

大天守にもこうした釘が打たれていたようですが、現在はすべて取り除かれています。

 

愛する姫路城へ当時の市民が、涙ながらに釘を打っている姿が浮かびます。

姫路城を守ろうとさぞ必死だったのでしょう。

この釘は、もう二度と戦争などしてはならないという、
教訓を教えてくれている気がします。

 

そんな努力もあってか、
姫路空襲(2回:1945年6月22日と7月3日)の後、

焦土と化した姫路市には、姫路城だけが奇跡的に残っていたと言います。

それがどれほど多くの人達を励ましてきたことでしょうか。
※昭和の大修理はその11年後(1956年)に行われています。

 

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愛され続け想いをつなげた姫路城

こうして、築城から400年余り、
明治の頃には崩壊寸前にまで崩れかけたりしながらも、
幾多の困難を多くの人の愛情と根性で守られてきた姫路城。

これほどに大切にされてきたこの城には、
メリー号に重なる「クラバウターマン(小人)」が、宿っていてもおかしくないと思うのです。

“クラバウターマン” 船乗りに受け継がれる伝説の一つだ・・・

本当に大切に乗られた船にのみ宿る妖精・・・・・まァ
船の化身だな

手には木槌を持ち船乗りのレインコートを着てる

船の凶事に船内をかけずり回ってそれを知らせるという

「フランキー談 ワンピース 37巻351話」より引用
(公式)ワンピース 公式サイト 東映アニメーション

 

これは船の話ではありますが、城にだってこうした精霊が宿り、

残されてきた。

そう考えても不思議ではないと思うのです。

 

レーダーに沼地として映った姫路城

B29の空襲を行っていた「司令官(不正確)」「B29の機長」は、
このような事を言っていたそうです。

姫路城の上空はレーダ上では沼地だった。
ここに焼夷弾を落しても無駄だったから落さなかった。
(曖昧な記憶 より)

2017/07/04追記訂正
以下の記事で詳細に上記証言をご紹介していますが、
「司令官」ではなく「B29の機長」の証言でした。

お詫びして訂正します。

「レーダーに映らなかった」のは、姫路城が何かに守られていたのかもしれません。

そう、「クラバウターマン」が。

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大天守とクラバウターマン

 

そんな風に、多くの人が必死に守ってきた姫路城。

そんな歴史的な背景を思い起こしながら、
現在の痛々しい姿を見ると、少し愛おしくも見えてきます。

 

後代に期待

いつか当初の姿に修復を行っても強度的に満たせるような時代が訪れ、

後代がいつか、こうした金物を取り除いてくれる日が来ることを、
心のどこかで祈りながら、いつも姫路城を見ています。

樹齢600年の巨木を育てるところからですから、
果てしない数のリレーが必要になるわけですが。

 


 - 04.雑談

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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