西の丸の「武者溜り」の修復が完了しています
西の丸南門跡(菱の門西)にある「武者溜り」が長い間修復が行われていて、
足場などが常に設置されている状態にありました。
2015/03/16に確認をしたところ、すべての修復を終え、
グランドオープンを静かに待っている状態にあります。
これで菱の門をくぐって西の丸方面に進む際の工事中風景がなくなりました。
西の丸の「武者溜り」の修復中風景
菱の門から西の丸へ向かう際の階段スロープを進む左側に、
「武者溜り」があります。
この武者溜りは長らく修復が行われていました。
その為、工事用のゲートが設けられていました。
作業用の足場などで雑然とした雰囲気となっていました。
こうした修復が終わり、現在は綺麗な姿になっています。
西の丸の「武者溜り」の修復完了
修復を終えた西の丸南門跡横の「武者溜り」です。
雰囲気のある簾が設置され、土塀が白く輝いています。
この写真はカメラを頭上にまで持ち上げて撮影しています。
簾が設置されたことで、武者溜り内の壁面に開けられた狭間などが、
実際には非常に見えにくい状態になっています。
坂の上から見下ろしたアングルです。
兵がこのスペース内で待機できるようになっています。
修復を終えた「武者溜り」には新しい案内板が設置されています。
武者溜り(Warrior, Mobilization Area)
土塀でほぼ正方形に囲まれていることから「武者溜り」と呼ばれています。こうした空間は、集団で軍事行動する兵士を一時的に駐屯させる場所とも言われます。菱の門の前方で石垣を張り出させた場所にあるので、菱の門や西の丸の東側に取り付こうとする敵を攻撃するための施設とみられます。また18世紀頃の絵図には、隣接する西の丸南門に接続する建物が、この空間の南側土塀に沿って描かれています。西の丸に出入りするための南入口を警備する番人などが詰める番所もあったとみられます。
案内板にはこの位置に「西の丸南門」があったとされ、
その南門に接続する建物があり、
西の丸へ出入りする者の警備などが行われていたとされています。
この武者溜りは、こうした 「西の丸南門」の内部に配置されて、
「西の丸南門」自体の警備の拠点となっていたことも想像できます。
坂から武者溜りを見上げたアングルの写真からも、
武者溜りの菱の門側の土塀には狭間が開けられていませんが、
土塀の高さが腰高となっていて「西の丸南門」の外も、
見下ろすことができるようになっていることがわかります。
「西の丸南門跡」を抜けて西の丸へ上る坂です。
坂の右の土塀は「ろの門」から南へ伸びている長い土塀ですが、
この土塀にも「狭間」が多く開けられています。
※写真には狭間がわかりにくいです。
「西の丸南門」を突破された際の応戦は西の丸から、
行えるようになっているように幾重にも防御が行える仕組みになっています。
「武者溜り」からどう攻撃するのか?
この修復を終えた武者溜りですが、
内部から見ているとイメージがつかみにくいかもしれません。
菱の門の外側からこの武者溜りを見上げてみると、
防御として重要な役割を担っていることがわかります。
左側が武者溜りで、武者溜りの土塀に開けられた狭間から、
侵入してきた兵を攻撃できることがわかります。
高い位置から攻撃ができて有利ですね。
「西の丸南門跡」案内板の新設
西の丸の「武者溜り」の脇にあった南門については、
菱の門前にある旧姫路城の絵図にも「西の丸南門」が書かれています。
武者溜りの改修も終わり 「西の丸南門跡」の案内版が新しく設置されました。
西の丸南門跡
ここにはかつて西の丸への南入口の門がありました。番所付きの高麗門で、坂道の真ん中には約40cm角の正方形の礎石が残っています。坂道の西端にもいくつかの礎石が残っています。
門の東側には武者溜りがあり、門に接続して細長い建物がありました。菱の門から向かってくる敵に対して射撃するための石打棚のような施設、あるいは番所があったのかもしれません。
坂の下にある礎石(束石)にはこのように柱が立てられ、立派な門があったのでしょうね。
礎石です。
この石が当時からあったものだと思うと、壮大な歴史を感じます。
菱の門脇の「武者溜り」の修復を終えたことで、
菱の門をくぐって西の丸へ抜ける際の雰囲気が一層よくなりました。
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