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「第一冊・村翁夜話集|播磨の地誌」福本勇次著『村翁夜話集』刊行会(1856年前後)

「村翁夜話集」は播磨地方の郷土史で近世播磨の地域社会を知る上で欠かせない
基礎的な情報を提供してくれる書物であると言われます。
特筆すべき内容として、執筆された時期の姫路城内の櫓・門などが細かく明細として記録されている点です。
この明細はこれまで「姫路市史」や「姫路城史」などでも参考・引用されて、
姫路城の歴史を知る重要な情報として利用されてきました。
尚、著者の「福本勇次」氏は姫路藩士で書かれたのは江戸末期の幕末嘉永の頃と言われます。
ここでは「村翁夜話集所収姫路城門櫓明細書」として明細部分各建造物が、
現存する建造物にどう対応しているのかを調べ、一覧化してご紹介します。

 

「村翁夜話集所収姫路城門櫓明細書」の記述例

「村翁夜話集所収姫路城門櫓明細書」には以下のように、
淡々と文字にてどのような櫓・門・塀などが存在していたのかを述べています。

以下は、天守周りを記述した部分の抜粋です。

例)『天守・水曲輪』|村翁夜話集所収姫路城門櫓明細書

いかがでしょうか、ここはまだ分かりやすい方ですが、
現在呼称されている名称とは違う名前で書かれています。

倉の間共七重 〇御天守初重 桁行拾五間三尺八寸、梁行拾一間半、
二重 御天守ヨリ丑寅ノ方小天守迄渡御櫓 桁行五間四尺五寸、梁行三間、
三重 同丑寅ノ方小天守 桁行三間半、梁行三間、
二重 同所ヨリ戌亥ノ方小天守迄渡御櫓 桁行十四間五尺一寸、梁行三間、
三重 同戌亥ノ方小天守 桁行五間一尺七寸、梁行五間、
二重 同所ヨリ南ノ方小天守迄渡御櫓 桁行四間二尺四寸、梁行三間、
三重 同南ノ方小天守 桁行四間二尺、梁行四間、
同下タ水ノ六御門 桁行二間、明キ七尺、
同外南ノ方水ノ五御門 桁行二間半、梁行二間、明キ七尺六寸、
同外西ノ方水四冠木御門 桁行一間二尺七寸、明キ六尺三寸、
同外西ノ方水三冠木御門 桁行一間一尺五寸、明キ五尺一寸、
同外北方水二冠木御門 桁行一間四尺八寸、明キ五尺八寸、
一重 同所西ノ方三ノ御櫓 桁行折廻五間半、梁行二間、
同所北ノ方水一冠木門 桁行一間四尺、明キ五尺五寸、
所々御塀合四拾四間一尺 但水一御門ヨリ御天守入口迄、

(引用抜粋)第一冊・村翁夜話集|播磨の地誌 福本勇次著『村翁夜話集』刊行会-平成27年1月25日発行

この昔の呼名と、現在の呼名には長く錯誤が発生しています。
そうした錯誤を考慮して、当時の文献を参考に読み解くには、
まず現存している「村翁夜話集」を基準として考えていくと分かりやすくなります。

 

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各曲輪・エリア別の現行名称との対比

以下のリンク先では対象エリアごとに村翁夜話集による記述と、
「江戸末期」の頃の名称が確認できます。
全文を確認するには最下部の「全文」でご確認いただけます。

 

「村翁夜話集」について

「村翁夜話集」について同書では以下のとおり述べています。

『村翁夜話集』解題 前田徹

はじめに

『村翁夜話集』は、近世姫路藩領の地誌であり、近世播磨の地域社会を知る上で欠かせない基礎的な情報を提供してくれる書物である。この解題では、『村翁夜話集』の概要と、成立年代や著者について若干の考察を行いたい。あわせて『村翁夜話集』の意義についてもいくつかの注目すべき記述を通して紹介してみたい。なお、以下では、「本書」とは『村翁夜話集』の原本を指し、本刊本自体は「この資料集」と表記することとする。

播磨の近世地誌としては、全域を扱ったものとして、平野庸脩著『播磨鑑』(播磨史籍刊行会、一九五八年)、天川友親編纂『播陽万宝知恵袋』(臨川書店、一九八八年)などがよく知られており、このほか個別の藩領にかかるものとして、いずれも未公刊の書物であるが、龍野藩領の「龍野志」(たつの市立龍野図書館など蔵)、明石藩領の『采邑私記』(無窮会神習文庫ほか蔵)なども比較的よく知られたものである。

『村翁夜話集』も、こうした近世地誌類とともに、たとえば『兵庫県飾磨郡史』(飾磨郡教育会、一九二七年)、『増訂印南郡史』(印南郡役所、一九一六年)などの近代における姫路周辺地域の郡史編纂や橋本政次『姫路城史』(姫路城史刊行会、一九五二年)をはじめとする数多くの郷土史・市域史研究、さらに『姫路市史』(姫路市、現在順次刊行中)などの自治体史類においても基礎史料の一つとして用いられ続けてきている。しかしながらこれまで本格的な翻刻紹介は行われてこなかった。このため、この資料集では、第一冊から第五冊までについて、全文を翻刻し紹介することとした。

一 底本

この資料集で用いた本書の底本は姫路市立城内図書館所蔵本(以下、城内図書館本と略称する)である。諸本については十分な調査が行えていないが、現在のところ、他に姫路市渡辺聡家所蔵本(以下、渡辺本と略称)、英賀神社所蔵本、射楯兵主神社所蔵本が知られている。しかし、いずれも抄録本や欠本であり、城内図書館が最善本とみることができる。

城内図書館本は和本全七冊からなる。いずれも堅・袋綴装、表紙、裏表紙には茶系の渋紙が用いられている。この資料集ではこのうち五冊分を翻刻紹介することとした。第一~五各冊の外題、内題、寸法と丁数はつぎのとおりである。なお、寸法は縦✖横(センチメートル)であり、丁数には白紙を含み、表紙は含まない。

  • 第一冊 外題題箋「村翁夜話集 □□□」(寸法略)
  • 第二冊 外題題箋「村翁夜話集 城主代々并墓銘/付碑銘之部」(寸法略)
  • 第三冊 外題題箋「村翁夜話集 付録英城記」(寸法略)
  • 第四冊 外題題箋「村翁夜話集 □□□□」(寸法略)
  • 第五冊 外題題箋「村翁夜話集 付録/雑聞書」(寸法略)

各冊の巻頭・扉裏等には昭和二七年(一九五二)十二月二十三日付の図書館受入印が押されており、このころ同館の所蔵となったことがわかる。
また、各冊とも、巻頭に「姫路市立図書館蔵」の朱文方印と、これ以前の所蔵者の蔵書印がる。まず、第一冊~第五冊すべてに、「福本蔵書」(朱文楕円印)がある。そして第四冊のみ、これと別に「梨屋」(朱文方印)、「梨屋蔵書」(朱文方印)も捺されている(口絵参照)。これらの蔵書印については、本書の筆者に関する考察の中であらためて述べることとしたい。

(以下略)

(引用抜粋)第一冊・村翁夜話集|播磨の地誌 福本勇次著『村翁夜話集』刊行会-平成27年1月25日発行

 

全リスト一括表示

以下は、曲輪ごとに分割せずに、全リストを表示しているものです。
名称の検索等を行う際には、以下の利用が便利です。(右上のフィールドでフィルタできます)

尚「管No」が連番ではなく、飛んでいるのは、
その部分に一般的な順序として存在している建造物が、
「村翁夜話集」に記載されていない、又は、他の建造物とまとめて表記されている箇所になります。

例として、連立天守には「二の渡櫓(国宝)」が存在しています。
ですが「村翁夜話集」ではその部分に「御櫓(または、御渡櫓)」が記載されていません。
これは当時、この部分は「水ノ御五門」として「城門」として解釈されていた為です。
こうした現在との違いがあり、別記している部分は「管No」は連番ではありません。

その部分を確認するには、上記で紹介した各エリア別のリンク先をご確認ください。

[sonnou_list mode=1 son_genbun=1 order=’for_sort,id3′]

 

さいごに

本リストの紹介は江戸時代にどのような名称で各櫓が呼ばれ、
そして明治、昭和、平成と文化財修復の資料を確認していくに当たって、
現時点で分かっているスタート地点に当たるものです。

櫓に名称を付けるようになった時期は定かではありませんが、
こうした詳細に名称を振り、建造物サイズを記載している資料はとても重要です。

ただし、旧名称が分かったからと言って、それが正しいと言う事ではないと思っています。

自分の名前に、本名があり、あだ名があり、
昨今で言えば「東京スタジアム」がネーミングライツ制度によって「味の素スタジアム」と呼ばれたりと、
「名称」はその時代で、より多くの人に馴染みがあるような呼ばれ方で、
変化していくものであると思っています。

それがもし錯誤からの呼名であったとしても、
現在の姫路城で各櫓に付けられている名前は、その名称で「国重要文化財」の登録が行われています。

重要文化財登録の名称で呼ぶのが現在は正しい呼び方になります。

ただ、過去の文献を読む場合には、過去の呼名や経緯と言ったものも、
知っておく必要があり、こうした資料を作成するに至りました。

何かの時にお役に立ちますと幸いです。

 

出典書籍

「第一冊・村翁夜話集|播磨の地誌 福本勇次著『村翁夜話集』刊行会-平成27年1月25日発行」は、
姫路市立図書館に蔵書され、貸し出しが可能になっています。
原本の記述を確認される際などには以下の棚(請求記号)、資料コードで借りられます。

村翁夜話集|資料詳細:姫路市立図書館(2018/01/30時点検索結果)

所蔵館 所蔵場所 請求記号 資料コード 資料区分 帯出区分 状態
城内 郷土 /L20/21/ソ 0130391949 郷般
城内 郷土 /L20/21/ソ 0130391915 郷般
城内 郷土 /L20/21/ソ 0130391741 郷般
城内 レファ般 /L20/21/ソ 0130391923 郷般 禁帯
城内 書庫R /L20/21/ソ 0130391956 郷般 禁帯
城内 書庫R /L20/21/ソ 0130391931 郷般 貴重
網干 郷土 /L20/21/ソ 2117123030 郷般
飾磨 郷土 /L20/21/ソ 2317090120 郷般
白浜 郷土 /L20/21/ソ 2517084196 郷般
安室 郷土 /L20/21/ソ 2617083726 郷般
青山 郷土 /L20/21/ソ 2717059170 郷般
広畑 郷土 /L20/21/ソ 2817184639 郷般
手柄 郷土 /L20/21/ソ 2917151280 郷般
ひがし 郷土 /L20/21/ソ 3017068176 郷般
やすとみ 郷土 /L20/21/ソ 5017009969 郷般
香寺 郷土 /L20/21/ソ 5117066620 郷般
夢前 郷土 /L20/21/ソ 5217165603 郷般
家島 郷土 /L20/21/ソ 5317101565 郷般

 


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公開日:
最終更新日:2018/02/06

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