【公開終了】姫路城・菱の門(内部)特別公開!から見る「菱の門」鉄壁の守り
2017/04/14
2017/03/17まで特別公開されている「菱の門・門番所」は、
過去に一度も一般公開されていない姫路城の重要文化財です。
棟門と石垣が一体化した構造は迫力ある空間を形作り、
門を通過する者を監視する門番の居る雰囲気を思い起こさせてくれます。
なお、特別公開の概要については以下でご紹介しています。
概要(見出し)
菱の門とは?
菱の門の門番所が特別公開されると言われても、
普通は「菱の門って何?」と思われることでしょう。
姫路城の入城口を入って最初に潜る門で、
圧倒的なスケールと美しさを誇る門が菱の門です。
門を潜る時に上を見上げると見える、
美しい「花菱」の飾りが印象的で「菱の門」の名前の由来になったとも言われます。
菱の門については以下でご紹介しています。
菱の門の場所は以下の位置にあります。
菱の門・門番所(内部)の石垣は枡形の要
菱の門の門番所内部に関しては以下でご紹介しています。
門番所の北側から内部石垣を見ています。
非常に大きな石を使って組まれた壁一面の石垣は迫力があります。
この石垣は「菱の門西方土塀」の石垣で、
菱の門の枡形を抜けてくる際に正面に位置する石垣です。
この菱の門と石垣、そして石垣の上の土塀に開けられた狭間が、
向かい来る敵に対して、鉄壁の守りになっていることが分かります。
石垣上の土塀狭間から敵兵を狙う
この狭間が開けられた土塀を裏から見ると、
このように兵が上がれるような階段状の石垣になっています。
菱の門が突破されても2階は死守する構造
また菱の門には2階がある事が見てわかります。
この2階の火頭窓や格子窓からも兵が敵兵を攻撃することができます。
万が一この菱の門が突破され、
菱の門の門番所(西)、馬見所(東)側に攻め入ったとしても、
簡単には2階に上がる事ができない構造になっています。
この石垣の上に上がると2階への出入口につながっているのです。
巧みに隠された2階への入口は、
この門番所の内部の石垣の真上に位置する場所に隠されているのです。
石垣と菱の門が緻密に組み合わさり、
鉄壁の守りに対しての備えがされていることが分かります。
ただ石垣が室内に食い込んで見られるというだけでなく、
石垣が2階への入口への通路になっているということが、
この構造である必然性なのです。
本当によく考えられているなと思います。
これだとすぐに2階の入口が見つかるんじゃないの?
そうですね、ちょっと回り込めばすぐに入口が見えるような気がするかもしれません。
しかし、現存はしていませんが、
この菱の門の西側の「西の丸」へ上がる階段スロープになっている部分は、
当時「西の丸南門」という櫓門が設けられていました。
その為、門の内側にも兵が待ち構えている為、
実際には菱の門の2階入り口に目をやるような余裕はない状態だったと推測できます。
こうしてみると、門番所の石垣も必然性からこのような形になり、
今に遺されてきたのだと感じられます。
実際に姫路城へお越しになって菱の門の周囲をぐるっと見て回って、
土塀の裏側や菱の門の向こう側などを想像しながら見てみると、
また違った見え方がして面白いと思います。
さて、最後に現在特別公開されている菱の門ですが、いつかは修復の時が訪れます。
菱の門の修復履歴と次回の修復予定は?
ちなみにこの桃山時代の建立とされる「菱の門」は、
記録のあるものとしての修復履歴は以下のようになっています。
保存修理の履歴(抜粋)
S54 屋根北面修理
H3 火頭窓・格子漆塗替、錺(かざり)金具メッキ、壁一部漆喰塗替
H15 火頭窓・格子漆塗替※姫路城重要文化財建造物等保存活用計画 平成25年8月 姫路市 より抜粋。
平成3年度(1991年度)に壁の一部漆喰塗替が行われ、
次の修復予定は平成32年度(2020年度)を予定しています。
※同、姫路城重要文化財建造物等保存活用計画 平成25年8月 姫路市 を参考(予定は変更される場合があります)
東京オリンピックの頃にはこの菱の門にも、
工事用の覆いが被せられ、見れなくなっていることが予想されます。
美しい姿は、城内に入って最初の第一印象ですし、
多くの人達の記念撮影スポットでもあります。
修復期間に入ってしまう前に、姫路城に来られてみてはいかがでしょうか?
桜シーズンのプレミアムフライデーなどにいかがでしょうか?
当サイト内のコンテンツの引用・出典の明記なきものは、
すべて管理人ミトンが著作権を保持するオリジナルコンテンツです。
当サイトでご紹介しております写真につきましては著作権の放棄は致しません。
尚、サイト内コンテンツを引用される際にはご連絡は不要です。
ただし、出典元として当サイト(個別記事)へのリンクをお願いいたします。
申し訳ございませんが、無断転載、複製をお断りさせて頂いております。
なお、サイト内で公開させて頂いております写真元データは、5MB程のサイズがございます。
Web上で公開の写真は0.5MB程度に解像度等を落としておりますので、
別媒体でご利用をご検討の場合には元データの方が比較的綺麗です。
写真データ等の引用などをご検討でしたら、下記Twitterからまずご連絡をお願いします。
ロゴのない画像の提供等を検討させて頂き、ご連絡申し上げます。
写真等の利用目的など検討の結果、ご意向に添えない場合もございます。
データの提供をお約束するものではありません。
コンテンツを有益であると感じていただけましたら非常に光栄です。
ありがとうございます。
運営者はSNS等で個人名等の公開は行わないポリシーで運営しております。
直接のご連絡・取材時などには個人名・屋号でご連絡を差し上げる場合もございますが、
個人名・屋号等をインターネット上で公開されることはご遠慮願います。
関連記事
-
【速報】姫路城がピンクライトアップ!2016年ピンクリボンも大盛況に
2016年も姫路城のピンクライトアップが今日2016年10月01日に開催されまし …
-
帯郭櫓修復工事中も姫路城東側通路(三の丸⇔喜斎門跡)は通行可能です【終了】
度の姫路城内の修復工事は帯郭櫓周辺(おびくるわ・やぐら)です。 姫路城内東側の工 …
-
姫路城「夜桜会2018」初日、見頃は短く早い程に美しく。
2018年も4/3(火)~4/8(日)まで開催されている「姫路城・夜桜会」の初日 …
-
散りゆく桜@姫路城2015・桜
姫路城の桜も2015/04/06には散り始め、若葉の装いに映り始めています。 散 …
-
【終了】姫路城『シロノヒカリ』開催中!秋のライトアップイベント2021〔10/27(水)~11/07(日)の12日間〕
姫路城恒例のライトアップイベントが2021年も開催されます。 姫路城ではクリスマ …
-
2019年追記:姫路城「登閣整理券」配布は皆無に。混雑が減り観光しやすくなってきています。
2015年3月27日のグランドオープンから導入された「登閣整理券」制度。 一日の …
-
【解体済】リの一渡櫓・リの二渡櫓 保存修理工事特別公開施設が設置されています。
現在、二の丸の「リの一渡櫓」「リの二渡櫓」が修復工事に入っています。 その為、姫 …
-
喜斎門跡側(腹切丸)の工事が始まり東面がっかりビュー開始・平成31年3月まで(予定)
度の姫路城内修復工事が始まり、 姫路城東面からのビューに足場が映り込むようになり …
-
4/12追記更新【2019/4/6 満開発表】姫路城 ソメイヨシノ開花状況(姫路城内/城外周辺)
2019年もソメイヨシノの満開発表が出されました。 いよいよ桜シーズンが本番にな …
-
2019/4/2 姫路城がブルーにライトアップ(自閉症啓発ライトアップ開催)【終了】
2019/4/2(火)の姫路城夜間ライトアップは青色になります。 毎年、恒例で開 …