大天守(だいてんしゅ)姫路城
姫路城と言えば大天守。
平成の大改修を終えた「大天守」は白鷺城の別名にもふさわしい純白の鮮やかさです。
大天守の内部はその外見からは予想もつかないような、
武骨で機能重視の造りになっています。
有事の際を想定した城としての工夫が随所にみられる姫路城大天守は、
やはり姫路城の一番の見どころと言えます。
概要
姫路城の大天守は天守閣の北東に位置し、
姫路城の敷地内の「姫山(45.6m)」の上に、
「天守台(14.8m)」そして「大天守(31.5m)」を併せて、
大天守の鯱までは海抜91.9m(*1)になります。
大天守の外観は、一見すると5階建てのように見えます。
しかし、内部は地下1階、地上6階の7層構造になっています。
こうしたトリックに寄与しているフロアは地階の存在と、
5階の存在によって作り出されています。
大天守の各階
各階層ごとに姫路城ならではの特徴的な施設などが設けられています。
大天守に登閣した際には一気に最上階に上がってしまうことなく、
それぞれの途中階もじっくり見ていくと、満喫することができます。
地階
姫路城の地階は内覧時には降閣口になるフロアです。
地階には西大柱、東大柱の下部を見ることができ、
その柱の太さを感じられる場所です。
その他、籠城時を想定して厠や流しといった設備がある珍しい階です。
通常の登閣ルートでは「地階」は最後にあたる階になります。
登閣した最初は1階からの観覧になります。
1階
姫路城の1階は天守の周囲の渡り櫓からの出入り口や、
天守台石垣の直下に攻め入った敵に対しての
監視や反撃が行える石落しなどが設けられています。
2階
姫路城の2階は外観から印象的な連立した格子が設けられている階です。
非常に大きな格子部分はそのデザイン性だけでなく、
天守の下部石垣に取り付く敵に対して、石落しで攻撃することができる
非常に機能的な設備でもあります。
西面の千鳥破風からは外に出て屋根の上に出られるなど、
非常に興味深い設備のあるフロアです。
3階
姫路城の3階は東西に大千鳥破風によって構成される空間を配し、
南北には石打棚を設け、下部を内室として活用しています。
南面では迫り出した唐破風屋根を避けるように、
石打棚の高さを上げて立体的な構造になっています。
また大天守内でも珍しい武者隠しという小部屋もあります。
4階
姫路城の4階は、壁の四方に「石打棚」が設けられ、
石打棚の下には内室を備えた構造になっています。
南北面には2つの千鳥破風、東西面には大千鳥破風が、
下階の屋根に架けられており、4階壁面にまで迫り出していることから、
必然的に窓が高くなる構造になっています。
5階
姫路城の5階は、姫路城最上階の1つ下の階ということ、
そして狭い空間に何もないような印象を持ってしまいがちです。
この階は地下から伸びた「西大柱」「東大柱」の上端を見ることができます。
外からは地上5層に見える姫路城が、
地上6階になっているのはこの階の存在が大きな役割を果たしています。
6階
姫路城の最上階(6階)は、姫路城に訪れたらやはり登りたい場所です。
大天守の最上階の見晴は絶景です。
また姫路空襲の後も奇跡的に残ったこの姫路城であることから、
現在では火災・災害などの災いの神として崇められる「長壁神社」があります。
大天守登閣の注意等
大天守内の上下移動などでは常に一方通行になっています。
順路は以下のように移動します。
1階 ⇒ 2階 ⇒ 3階⇒ 4階 ⇒ 5階 ⇒ 6階(最上階)⇒
6階(最上階)⇒ 5階 ⇒ 4階 ⇒ 3階 ⇒ 2階 ⇒ 1階 ⇒ 地下一階
行きと帰りで2度通過するようなルートになっていますが、
同じ場所には二度来ることはできず、
行きと帰りの順路を分けている仕切りを跨ぐようなこともできません。
場合によっては行きの際にしか見られないポイントや、
帰りにしか見られないポイントもありますので、
各階の見どころで紹介している配置図などを参考に、
いつ見るべきかをご判断頂けたらと思います。
その他、内覧時の注意点などは以下でご紹介しています。
出典参考
*1):『世界文化遺産・国宝 姫路城の基礎知識』 姫路市立城郭研究室著 による。
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公開日:
最終更新日:2015/08/13