三階(大天守)
姫路城の3階は東西に大千鳥破風によって構成される空間を配し、
南北には石打棚を設け、下部を内室として活用しています。
南面では迫り出した唐破風屋根を避けるように、
石打棚の高さを上げて立体的な構造になっています。
また大天守内でも珍しい武者隠しという小部屋もあります。
三階(大天守)
大天守の3階は姫路城の南面から見た場合、
およそ以下のような位置にあたります。
大天守の3階に登ると中程に案内板が設置されています。
※矢印は順路を示します。
「→(青)」は行き(登り・登閣)を示します。
「→(赤)」は帰り(下り・降閣)を示します。
大天守内のルートは予告なく随時変更される場合があります。
内覧時に変更されていた場合には Twitter からご連絡頂けますと幸いです。
案内板
案内板には見どころが紹介されています。
案内板に表示されているQRコードを読み取ると、
スマホでそのフロアの見どころなどの紹介を確認することができます。
西大柱
大天守の地階に建てられた西大柱は、
大天守3階で上部と下部の部材が接合されています。
案内板ではその接合部に関する記述が書かれています。
西大柱
3階で二本継ぎになっています。現在、上部は神崎郡市川町に笠形神社で伐採された檜、下部は木曽山中(中津川市)で伐採された檜です。
西大柱は階段脇にあり正面に見ると接合部の切欠きを見ることができます。
切欠き部分はこのようなイメージで合わせられています。
3階の西大柱はARアプリに対応しています。
ARマーカーを読み取ると、西大柱の接合イメージを動画で確認できます。
姫路城内のARマーカーの全種類は以下で確認できます。
東大柱
東大柱も地階から伸びてきている柱ですが、
東大柱は上下で継がれることなく上階にそのまま伸びています。
一部、補修を受けてはいますが、元は1本柱が立てられていました。
東大柱
根元は腐った為に補修を受けましたが、もともとは長さ24.8mの樅の一本柱です。
東大柱は接合されてはいませんが、
西大柱と同様に金属のバンドで補強がされています。
内室
内室は天守内などの屋根裏の空間などを利用した、
収納スペースなどに利用された空間です。
大天守3階では他の階とは異なってとても広いスペースの
内室が設けられています。
内室
3階は南に唐破風が付くため、窓の位置が破風の上に開いています。窓の位置が高くなるので南北に石打棚を設けています。北側では石打棚の下の武者走りを内陣と仕切って、内室のような造りにしています。
大天守3階で紹介されている内室部分は北側で、
外から見ると下部に屋根がある為、窓が高くなっているのが分かります。
また南面には唐破風屋根が設けられているため、
さらに屋根の位置が高くなります。
こうした高くなっている部分の内部を内室として活用するとともに、
上部には窓が開けられ、
内室の上部に人が乗って外の兵を攻撃することができるような仕組みになっています。
南側の唐破風上部は石打棚がさらに一段上がった、
ステージのような構造になっています。
大天守内の内室は何か所か設けられています。
詳しくは以下でご紹介しています。
武者隠し
大天守3階には珍しい施設「武者隠し」が設けられています。
内室のような屋根裏を利用したスペースで、
人が中に入れるようになっています。
内部には外に向けた狭間が設けられています。
武者隠し
四隅に狭間状の穴が空いている空間があり、伏兵を配置する「武者隠し」に見立てられました。しかし、内部は2階になっているので、大人では身動きがとれません。
この武者隠しの内部は非常に狭く、
実際にはこの内部は3畳ほどの広さしかないため、
射撃をすることは容易ではないようです。
2階のうち、上部は外側に狭間が切られています。しかし階高が低いうえに、3畳ほどの広さしかないため、狭間からの射撃も容易ではありません。
武者隠しの詳細については以下でご紹介しています。
案内板には特に書かれていませんが、
大天守3階には他にも見どころがあります。
大千鳥破風
大千鳥破風は大天守の東西面に設けられた非常に大きな千鳥破風です。
意識していないと今自分が居るところが、
大千鳥破風で構成されている「破風の間」であることに気づかないほどの、
大きな空間が大天守3階にはあります。
南北の「武者隠し」の間のスペースがまさに破風の内部です。
上を見上げると、破風の形の勾配屋根を見ることができます。
大千鳥破風の詳細については以下でご紹介しています。
絵番付
姫路城の大天守に利用されている部材には、
「番付」と呼ばれる文字や記号が書かれたり、彫られたりしています。
文字が彫られたものは大天守の5階で見ることができます。
大天守の3階では、木の葉をモチーフにした絵を、
番付として利用しているものを見ることができます。
これは「絵番付」と呼ばれています。
一部は壁の内部に隠れていますが、
こうした同じ絵柄同士の部材を組み立てることで正しい位置で、
部材を接合することができるように工夫されています。
絵番付については以下でご紹介しています。
大天守3階では、西大柱だけに目が行きがちで、
内室などが外観と密接に関係して設けられていることなどが、
イメージしにくい部分があります。
南北面の内室や石打棚、東西面の千鳥破風内部など、
見どころが結構ありますので、じっくりと内覧をされるといいでしょう。
上の階へは以下から行けます。
下の階へは以下から行けます。
なお、大天守の全体については、以下でご紹介しています。
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公開日:
最終更新日:2019/02/02