桃の実/桃 果(もものみ/とうか)の鬼瓦
姫路城内で使われる「鬼瓦」には、一部デザインに凝ったものも存在します。
ご紹介する「桃の実」を模したデザインもその一つです。
桃は葉や花も旺盛に繁る様より「多産(子だくさん)」や「生命力」の象徴とされ縁起物とされてきたと言います。
桃の実は「霊果(れいか)」の一種とされ「魔除け」を持つともされています。
鬼退治でおなじみの「桃太郎」が桃から生まれるという設定からも、
「桃=鬼封じ」というイメージが伝わってきます。
概要(見出し)
桃の実/桃果(もものみ/とうか)の鬼瓦
姫路城では「鬼門」と「裏鬼門」に位置する鬼瓦で「桃の実」を見ることができます。
厳密に鬼門と裏鬼門に対して「桃」を配置するのではなく、
鬼門、裏鬼門に位置する建物の「屋根上で鬼門とは反対の棟に桃を配置」しているように見えます。(現状)
厳密に鬼門封じとして配置されたのか、先人の想いは分かりかねますが、
城内の「ヘの渡櫓(北腰曲輪東)」と「カの櫓(西の丸南東)」で「桃の鬼瓦」を見ることができます。
ヘの渡櫓(棟南)の鬼門桃
大天守北東に位置する「ヘの渡櫓(北腰曲輪東)」の南北棟の南側の鬼瓦に「桃の鬼瓦」があります。
これは「折廻り櫓特別公開(2018)」に折廻り櫓内部窓から撮影しています。
「折廻り櫓」の窓からはこのように見え、
奥にチラリと見えている屋根の鬼瓦が「桃」のデザインになっています。
距離はありますので「折廻り櫓」からでもズームは必須です。
この屋根は大天守北東に位置する「ヘの渡櫓(北腰曲輪東)」に当たりますが、
大天守内覧で「イの渡櫓(国宝)」や「東小天守」を通る際に、
窓から見た、この位置の櫓の屋根になっています。
この位置からでは、鬼瓦はよく見えません。
特別公開が行われていない(「折廻り櫓」内覧は8年振りでした)時期に、
桃の鬼瓦を見る場合には「備前門」の外、「井郭櫓」の前から見ることができます。
距離は「折廻り櫓」内覧時より遠くなりますし、ズーム必須になります。
カの櫓(棟北西1F庇)の裏鬼門桃
「カの櫓」は城内の西に位置する「西の丸」の南東に建っています。
普通に裏鬼門としてもい浮かびそうな「ワの櫓」が南西のように感じるかもしれません。
しかし、磁北はよくみる姫路城の案内地図よりも少し西に傾いています。
先人たちが磁北を基準にして鬼門を設定した際には、この「カの櫓」が鬼門に当たるということなのでしょう。
※現在の「カの櫓」が当初からここにあったのではなく、
別の場所から移築されたものだとする説もありますが、
となるとこの鬼瓦も移築の際にここに嵌め込まれたという可能性もあります。
三の丸広場から西の丸の角を見上げてみると「カの櫓」はこう見え、
桃の鬼瓦はこの位置にあります。
近寄ってみるには入城口前の迎賓館入り口付近から見上げると近くに寄れます。
ですが、高低差が大きくこちらもズームは必須になります。
ちなみに270mm望遠で目一杯寄ってもこの距離ですし、
あまり光の当たる鬼瓦ではないので、暗く映りがちです。
桃のデザインに込められた想い
こうした先人たちが桃を「霊果」としてきた想いについては、
瓦屋さんが分かりやすく解説をしてくださっています。
桃
モモは古来より霊果の一種とされてきた縁起物でございます。
その由来としては、中国のモモが実を多くつけ、葉や花も旺盛に咲き誇る様から「多産」の象徴とされ、転じて生命力にあふれた実とされた、ことにあるようでございます。
その生命力の強さが更に転化し、今日では「魔除け」の縁起物としても多くの方に親しまれております。
魔除けの果実としては、イザナギノミコトが黄泉の国の追っ手を退けるためにモモを投げ、見事に追っ手を退散させたという神話がございます。
これは、我が国でも古くからモモに魔除けの力を求めていた証と言えましょう。
(以下略)(引用) 桃 | 北川鬼瓦
(Evernote) https://www.evernote.com/shard/s380/sh/377b8dc2-f746-4e00-9f6d-b8a0de62a0e6/a3bd55b717aebcdd696729815dcdb975
桃をなげつけて追っ手を退散した神話とは。
どうでもいいことでしょうけど、投げた桃はきっとまだ固く青かったんでしょうね。
熟して食べ頃で、押すと傷つく繊細な甘い桃ではなかったのだろうと、
勝手にイメージしてしまいます。。。
その他の姫路城内でみられる鬼瓦
姫路城内の鬼瓦には特徴的なデザインが何種類かありますが、
気になるようでしたら以下のデザインの鬼瓦も探してみると面白いかもしれません。
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