菱の門(ひしのもん)
菱の門は入城口を入った目の前にすぐ現れる荘厳な門で、
桃山時代の豪華さを当時の柱、長押、舟肘木を当時のままで醸し出し、
優雅な風格で姫路城入城口の顔ともいえる代表的な門です。
菱の門(ひしのもん)
菱の門は入城口すぐに配置されています。
菱の門は入城口(大手改札口)からすぐの位置にあり、
これから始まる歴史探訪を華やかに彩る美しく華麗な門が、
上り坂の途中から見え始めます。
菱の門の外側左には案内板が設置されています。
菱の門
二の丸の入口を固めた櫓門で、柱や扉は欅財(けやきざい)を用い筋鉄饅頭金物、八双金物を打ち、脇戸をつけ、両柱の上の冠木に、木彫の菱の紋を打っているところからこの名前が付いています。
西に門番部屋があり、櫓の正面は連続武者窓の左右に華灯窓、裏面は連双武者窓が付いており、上の櫓の内部は3部屋になっています。
屋根の勾配、軒四隅の反転など、全国でも稀にみる桃山時代の華麗な城門といえます。
追記:グランドオープン以降案内板が刷新されています。
姫山・鷺山(城山)への入口を固める櫓門で、門の正面には蔀(しとみ)となる石垣と土塀があり、枡形構造になっています。
「菱の門」の名称は、鏡柱上部の冠木に木製の花菱が飾られていることに由来します。
鏡柱は1本の太い角柱のようにみえますが、実は板で覆った集成材のようなもので、板の合端を隠すために筋金具を打ちつけています。外観は、一部を除き白漆喰総塗込めで、柱や貫、長押などの形がそのまま出ているのが特徴です。2階の正面には黒漆に飾り金具がついた火灯窓・武者窓が配置されています。入母屋の東西の妻は、西側が素木の木連格子、東側が白漆喰塗込めになっています。
菱の門(外側)
菱の門は東側のみが石垣に支持され、
西側は地盤面に載るという変則的な配置になっています。
菱の門前から姫路城大天守を見上げると、
まだまだ城を遠くに望む位置にあることが感じられます。
土塀越しに見上げた姫路城も美しく迫力が感じられます。
菱の門を外側の正面から見ています。
菱の門は片側のみが石垣に載った変則的な「櫓門(やぐらもん)」様式になっています。
菱の門向かって左側(西)には脇戸が設けられています。
向かって右側(東)の内部は「馬見所(ばけんじょ)」が設けられており、
有事の際には壁に設けられた格子から、
攻め入る敵に対しての応戦がおこなえるようになっています。
菱の門から東に延びる「菱の門東方土塀」は東へ行くにしたがって、
地盤が傾斜し下がることで、石垣が段々と高くなっていきます。
菱の門の厳重な防御と石垣の高さで、
内部の三国堀曲輪への侵入を防いでいることがわかります。
菱の門の名前の由来となった木彫りの「花菱」が、
菱の門の冠木(かぶき)に取り付けられています。
上部の櫓部には、黒漆、飾金具付きの華頭窓と格子窓が設けられ、
その横には庇(ひさし)付きの漆喰塗り格子窓が配置されています。
こうした窓からも敵への応戦をすることができるようになっています。
菱の門は門として唯一、柱、長押、舟肘木などが、
桃山時代そのままの状態で現存する歴史的に価値の高いものとなっています。
この風格はまさにその歴史がなせるものです。
櫓門の特徴として、門の外側上部に石落しの穴が設けられています。
通常は板を張っていますが、有事の際には板を外し、
門まで攻めてきた敵に対して、石を落したり、槍で突いたりと、
応戦することができるような仕組みを備えています。
石落し部分には現在は網が掛けられて安全が確保されています。
菱の門をくぐる際にでも見上げてみて、
ここから攻撃されることを想像ながら通ってみるのもいいかもしれません。
ここでふと気になるのが、この石落しのある2階の入口です。
菱の門を眺めただけでは、2階への入口らしきものが見当たりません。
※1階の内部から2階への階段があるのだろう・・・くらいにしか。
1階が攻め落とされただけで2階も陥落するような
軟な守りにはなっていないのが「やりすぎ城」姫路城です。
菱の門(内側)
菱の門の内側を正面から見ると、門の大きさが感じられます。
向かって左が「馬見所(ばけんじょ)」、右側が「門番所(もんばんしょ)」となっています。
「馬見所」の扉です。
引き戸になっていることが見て取れます。
門番所側にも潜り戸のようなものが設けられています。
2017/01/05追記
今年2017年はこの門番所の内部が特別公開されます。
これまで一度も公開されたことがない文化財内部に立ち入る事ができます。
菱の門の西側にも門番所の扉のようなものが設けられています。
西側は一部石垣が門に食い込むような構造になっており、
この石垣には階段で登ることができるようになっています。
石垣に登ると、土塀に開けられた狭間から、
菱の門外側に攻め入った敵に対して応戦ができるようになっています。
菱の門の西面の破風屋根には、
木地の懸魚(げぎょ)と木蓮格子(きづれこうし)があります。
木地でこうした装飾がされているのは特徴的です。
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公開日:
最終更新日:2017/05/06