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姫路城にかつてあった櫓・門の数は?

姫路城では今も多くの櫓・門が現存しています。
城郭建築の分類において、国指定重要文化財の数としても日本一の数です。
そんな姫路城で非現存の櫓や門が昔どのくらいの数が存在していたのかを、
「村翁夜話集」に記載の櫓・門から拾い出し、ご紹介します。

 

「村翁夜話集」について

「村翁夜話集」は江戸末期嘉永の頃にかかれたとされる文献で、
その中に「村翁夜話集所収姫路城門櫓明細書」として、
櫓や門などの建造物が細かく記されています。

実際には以下で確認できます。

 

さて、この「村翁夜話集」であってもすべての城門・櫓が記載されている訳ではありません。
「播州姫路城図(大絵図)|大分市・中根家所蔵」などをみると、
城内の通り道の赤線が塀などを横切る箇所に、おそらくは門があったと思われますが、
その門が「村翁夜話集」には記載されていないこともあります。

「村翁夜話集」とて完璧ではないという前提がありますが、
それでも多くの櫓などを網羅し、かつ、それぞれの名称まで定義しているこの資料は貴重です。

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櫓の数

では「村翁夜話集」から抜き出して櫓だけを表記してみます。

[sonnou_list mode=0 son_genbun=1 order=’for_sort,id3′ son_cate=1 row=1 notice=1]

一番左に行数を表示していますので、
数はみての通りですがこれだけの櫓が「村翁夜話集」に記載されています。

当時は43櫓が存在していました。

現存が15櫓ですので、34.8%が残っている計算になります。
空襲に2回、遭いながらも34%の櫓が現存している事を多いとみるか、少ないとみるかは、
人それぞれかもしれません。

では、次は門です。

 

門の数

「村翁夜話集」から抜き出して門だけを表記してみます。

[sonnou_list mode=0 son_genbun=1 order=’for_sort,id3′ son_cate=4 row=1 notice=1]

同じく、Noを見れば数は出ていますが、
これだけの門が「村翁夜話集」に記載されています。
ただ、Noでは82となっているのは、49行目の「入口御門三ケ所(179)」がありますので、
82+2で、合計84門になります。

当時は84門が存在していました。

現存が19門ですので、22.6%が残っている計算になります。
こちらはかなり減っている印象を受けます。
尚、備前門と大手門は一部又は、全復元ですので、現存には数えていません。
※門部分だけで言えば「備前門」は上部櫓を焼失しただけで、門部分は現存しています。
※現存、21門とする書籍もありますが、大手門と備前門を加えると、21門が現存となります。

 

それも軍舎が姫路城内に設置されたり、中曲輪より外にも多くの軍施設が立ち並んだと聞きます。
城を守る為に往来を制限するための「門」は、
軍にとっては大きな重機や兵器を通す弊害にもなるでしょうし、
明治の頃に多くは取り壊されてしまったようです。

 

それでも、この平成も終わろうという頃に、
15櫓、 19門が遺っていると言う事は、奇跡であろうと思います。

この先も、平和が続き、姫路城が遺っていくことを祈りたいものです。

 

余談ですが「村翁夜話集」で記載されている門や櫓の原文から、
過去にこの門数を数えて紹介していた先人たちはすごいなと思います。

何度数えてもあっている自信がないような作業だと感じます。
以下の原文から、櫓や門だけを抽出して数える気になりますか?

今の時代ならデータの投入は必要になりますが、
データさえ入れれば、上のように一覧化して行を数えるなんてこと簡単になりましたけども。。。

 


公開日:
最終更新日:2018/02/02

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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