和泉式部歌塚-宝篋印塔(兵庫県下最古石造品)〔書写山圓教寺〕
姫路城観光の次の目的地に選ばれる書写山円教寺にも宝篋印塔が残っています。
文化財指定などはされていませんが、兵庫県下最古の石造遺品とされています。
姫路城で宝篋印塔から転用された石垣を見た後に、
宝篋印塔がどのようなものかを見るには書写山もいいかもしれません。
書写山圓教寺(兵庫県姫路市)
書写山円教寺の西の端・開山堂の脇にひっそりと宝篋印塔が残っています。
尚、姫路城の観光の後に書写山へ行くには、神姫バス路線が利用できます。
書写山の「宝篋印塔(和泉式部歌塚)」は以下の場所にあります。
書写山は麓の駅から頂上の駅までロープウェイを利用していくことができますが、
そこから2kmほど徒歩の参道が続きます。
追加で500円を支払えば、マイクロバスの利用ができます。
書写と言えば、摩尼殿が代表的な見どころスポットですが、
摩尼殿からさらに西方向へ山を登るようなルートで進み、開山堂(奥の院)まで進みます。
宝篋印塔(伝和泉式部歌塚塔)は開山堂の脇にひっそりと遺されています。
開山堂の案内板には以下のように書かれています。
開山堂(奥の院)
兵庫県指定文化財(昭和43年3月29日指定)江戸時代
圓教寺開山の性空上人をまつったお堂で、堂内の厨子には上人の御真骨を蔵した等身大の木像が納められている。寛弘四年(1007)上人の没年に高弟延照が創建、弘安九年(1286)消失。現存のものは江戸期寛文十一年(1671〔353 年前〕)に造り替えられたもの。
軒下の四隅に左甚五郎の作と伝えられる力士の彫刻があるが、四力士のうち北西隅の一人は、重さに耐え兼ねて逃げ出したという伝説がある。
開山堂の脇へ入っていきます。
最初にこの場所に行った時には入っていい場所だと思えなかったのですが、
ちゃんと入れるようになっています。
狭い隙間を抜けて開山堂の脇に入ります。
開山堂の脇に行くと、案内板が見えてきます。
(ね、ちゃんと入っていいでしょ、最初は不安なんですよね)
案内板の奥、高い場所に「宝篋印塔(和泉式部歌塚)」があります。
案内板には以下のように書かれています。
伝和泉式部歌塚塔
高さ二〇三cmの凝灰岩製の宝篋印塔で、塔身各面に胎蔵界の種子(梵字)を刻み、天福元年(1233〔791 年前〕)の銘がある。
県下最古の石造品であり、和泉式部の和歌「暗きより 暗き道にぞ入りぬべき 遥かに照らせ 山の端(は)の月」にちなむ和泉式部歌塚と伝えられる。
この歌は長保四年(1002)~寛弘二年(1005)に詠まれ「法華経」の「化城喩品(けじょうゆほん)」をもとに悟りへの導きを願い性空上人に結縁を求めた釈教歌と呼ばれるもので、勅撰「拾遺和歌集」に収録されている。
性空上人は「日は入りて月まだ出ぬたそがれに掲げて照らす法(のり)の燈(ともしび)」の返歌をしたといい、また建久七年(1196)~建仁二年(1202)に成立した「無名草子」には和泉式部が性空上人からこの歌の返しに贈られた袈裟を身に付けて往生を遂げたという逸話を載せている。平成二七年二月 姫路市教育委員会
宝篋印塔までは少し距離があります。
立入禁止とは書かれていませんが、入ってはいけない場所と思われますのでズーム撮影です。
(山肌をよじ登るような場所です)
かなり古いものである印象は見て受けます。
よくある宝篋印塔の「格狭間」部分がない様式になっています。
土台の部分がなんだか別の物で置き換わってしまっているようにも見えますが、
元からこの形であったのかは分かりかねます。
妙に不自然な印象を受けます。
間にあったはずの「格狭間」部分や「変花」などが、
今の姫路城にあったらすごい事だなと思ったりもします。(今となっては分かりませんが)
兵庫県下最古の宝篋印塔とされていますが、
文化財登録などはされておらず、あまり陽の目を浴びることなくひっそりと、
この場所に遺されています。
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