武者溜り(むしゃたまり)
「武者溜り」 は姫路城の城内の菱の門東側、化粧櫓南側などに設けられています。
城の外部からは武者(兵士)が隠れていることが分かりにくいように配置され、
合戦の際には兵士の駐屯場所として利用されたとされています。
また、武者溜りとは呼べないまでも、
姫路城内にはこうした兵士が隠れて応戦ができるような、
スペースが随所に設けられています。
概要(見出し)
代表的な武者溜り
代表的な武者溜りとしては姫路城内には2つの武者溜りがあります。
菱の門南方武者溜り
武者溜りとして紹介されている代表的な武者溜りです。
角度を変えて武者溜りを見てみると、
ある程度の広さが用意されているのがわかります。
こうした武者溜りに駐屯している兵は、
菱の門などに攻め入ってきた敵に応戦がしやすいようになっています。
菱の門の外から、この武者溜りを見上げるとイメージがしやすいでしょう。
左側が武者溜りがある土塀です。
狭間が開けられて弓や鉄砲などで狙いやすい位置になっています。
菱の門東方の武者溜りには、説明用の案内看板が設置されています。
看板は2015/03/27のグランドオープンに向けて、
新しく刷新されて設置しなおされました。
武者溜り(Warrior, Mobilization Area)
土塀でほぼ正方形に囲まれていることから「武者溜り」と呼ばれています。こうした空間は、集団で軍事行動する兵士を一時的に駐屯させる場所とも言われます。菱の門の前方で石垣を張り出させた場所にあるので、菱の門や西の丸の東側に取り付こうとする敵を攻撃するための施設とみられます。また18世紀頃の絵図には、隣接する西の丸南門に接続する建物が、この空間の南側土塀に沿って描かれています。西の丸に出入りするための南入口を警備する番人などが詰める番所もあったとみられます。
旧看板ではまた異なった説明文が書かれていましたので、
併せて読まれると理解が深まるかと思います。
武者溜り
土塀で枡形に囲んでいるのが「武者たまり」と呼ばれた出動する武士の集合場所です。武者たまりは132㎡のものが標準といわれ、3.3㎡当たり鎧(よろい)武者6人としていますので240人、騎馬なだ40騎入ったと言われています。
いざ合戦のときは、この枡形で防備の武者配置計画を合理的かつ、能率的に行ったのでしょう。
この武者たまりは、約64㎡で標準の2分の1程度の広さですが、姫路城内にはこの他に化粧櫓の南側にもあります。
西の丸南の武者溜りは以下の位置にあります。
旧看板にも書かれていますが、化粧櫓南方にも武者溜りがあります。
化粧櫓南方武者溜り
西の丸の北側にある化粧櫓にも武者溜りが設けられています。
化粧櫓の武者溜りはちょうど百閒廊下の出口にあります。
出口の階段の脇の土塀の中が武者溜りになっています。
武者溜りの造りは他の武者溜りと同じ、
四角く囲まれた空間になっています。
土塀には狭間が開けられており、
ちょうど化粧櫓脇の位置にあった西の丸北門の外の兵に向けて、
狭間が向いています。
化粧櫓南の武者溜りは以下の位置にあります。
その他応戦に利用されたであろうスペース
あまり個別にフォーカスされることはありませんが、
外からは単純に土塀に開けられた狭間が見えるだけで、
内側に武者が控えているとは想像しにくいようなスペースが設けられています。
菱の門南方土塀
現在の入城口(大手改札口)を入って、
すぐに目の前に見えてくる土塀が「菱の門南方土塀」です。
城内に入ってすぐなので見落としがちではありますが、
この土塀にも狭間が設けられ、菱の門に迫る敵を攻撃するための
防御の役割を果たしています。
菱の門南方土塀の兵が駐屯できるスペースは以下の位置にあります。
菱の門西方土塀
菱の門の南方には前述のとおり、本格的な武者溜りが設けられています。
それとは別に菱の門に隣接する形で、
菱の門の門外に迫った敵に対して応戦を行うことができるスペースが、
菱の門南方に設けられています。
菱の門西方土塀の兵が駐屯できるスペースは以下の位置にあります。
いの門東方土塀
「いの門」脇にも兵が控えて応戦ができるスペースが設けられています。
「いの門」脇の土塀の高さを高くして守りを固めた結果として、
土塀の狭間から応戦することを目的として石垣が築かれています。
その為、武者溜りとは少し意味合いが異なっていますが、
塀が応戦の際にはここから弓や鉄砲などで攻撃できるようになっています。
いの門東方土塀の兵が駐屯できるスペースは以下の位置にあります。
ろの門東方土塀
「ろの門東方土塀」 には「いの門」同様に、
地面からの高さを確保するために設けられた石垣に上がって、
狭間からの攻撃を行うためのスペースが設けられています。
ろの門東方土塀の兵が駐屯できるスペースは以下の位置にあります。
このように特別に設けられた武者溜りもあれば、
ちょっとした土塀の裏のスペースに設けられたスペースもあります。
いかに戦を有利にすすめ、応戦がしやすくなるようにという工夫が、
こうした点を見ても実によく考えられていると感じます。
姫路城では周囲の壁を見渡してみて、
狭間の穴が開いているのが見えたら、
その裏側がどのようになっているのかを想像してみて、
その後に実際に見に行ってみるのも、楽しさの一つだと思います。
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公開日:
最終更新日:2015/05/27