姫路観光の見所・ポイントを徹底的に解説しています。姫路城だけでなく姫路に来た際に役に立つ周辺情報もご紹介しています。

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宝篋印塔(ほうきょういんとう)

姫路城内の石垣には石垣の為に切り出した石材ではない別の目的で使われていた石が、
そのままの形で石垣に利用されています。
他の用途のものを転用していることから姫路城では「転用石」と呼ばれています。
「転用石」として利用されたものには「宝篋印塔」の土台石もあります。
姫路市内には今も現存する「宝篋印塔」が残っています。

 

宝篋印塔(ほうきょういんとう)

宝篋印塔はWikiPediaによれば以下のようなものであると書かれています。

宝篋印塔

宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、墓塔・供養塔などに使われる仏塔の一種である。五輪塔とともに、石造の遺品が多い。

起源(抜粋)

(前略)名称は、銭弘俶塔に宝篋印陀羅尼(宝篋印心咒経/ほうきょういんしんじゅきょう)を納めたことによる。ただし、石造宝篋印塔で実際に塔内から陀羅尼が発見された例はない。本来的には、基礎に宝篋印心咒経の文字を刻む。

(中略)

意義

滅罪や延命などの利益から、追善(死後に供養すること)・逆修(生前にあらかじめ供養をすませること)の供養塔、墓碑塔として、五輪塔とともに多く造立された。形状がシンプルな五輪塔が僧俗を問わず多くの階層で用いられたのに対して、装飾性の強い宝篋印塔は主に貴顕の間で用いられる傾向がある。
鎌倉地方の丘陵部に多く存在するやぐらには、宝篋印塔が置かれる場合や、宝篋印塔のレリーフが彫られている例がある。ほぼ、五輪塔と同じ意義で用いられたことが考えられるが、作例は五輪塔よりも少ない。

(引用)宝篋印塔 – Wikipedia

 

供養塔、墓碑塔などの目的で建立された石造品として装飾性が高い傾向があるとされています。

そして姫路城内に転用石として「宝篋印塔」とともに存在する「五輪塔」は、
「宝篋印塔」のよりデザインがシンプルな石造品であることがわかります。

宝篋印塔と五輪塔のそれぞれについては、
「姫路の文化財(第1巻)-指定文化財- 350ページ・編集発行:姫路市教育委員会」の中で、
図で説明されています。
以下はその図を元にして書き直したものです。

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宝篋印塔と五輪塔

 

兵庫県下の宝篋印塔は以下に現存しています。

宝篋印塔〔石梁山 不動院/愛宕山大権現〕

姫路城内の石垣に転用されている宝篋印塔の石材は、
イメージではなんとなくわかるものの、
やはり実際の宝篋印塔の姿を見た方がイメージが沸きやすい事と思います。
姫路城から一番近くの場所で宝篋印塔が見られる場所は城の北西にある
「清水門跡」よりもう少し北西に進んだ「石梁山 不動院/愛宕山大権現」に遺されています。
姫路城からも近く簡単に現物(転用されたものとは異なる)を見ることができます。

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宝篋印塔(横)・石梁山 不動院/愛宕山大権現・宝篋印塔

 

宝篋印塔(国指定重要文化財)〔広峯神社〕

姫路城周辺で見ることができる宝篋印塔の代表的なものとして、
廣峯神社(広峯神社)の宝篋印塔があります。国指定重要文化財に指定されています。
城内石垣に転用され消失してしまうことも多い宝篋印塔が現存し、
今も遺されている為、転用される前の宝篋印塔のイメージをつかむには、
実際に現物を見に行くといいでしょう。

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広峯神社・宝篋印塔

 

和泉式部歌塚-宝篋印塔(兵庫県下最古石造品)〔書写山圓教寺〕

姫路城観光の次の目的地に選ばれる書写山円教寺にも宝篋印塔が残っています。
文化財指定などはされていませんが、兵庫県下最古の石造遺品とされています。
姫路城で宝篋印塔から転用された石垣を見た後に、
宝篋印塔がどのようなものかを見るには書写山もいいかもしれません。

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宝篋印塔(和泉式部歌塚)拡大・書写山宝篋印塔

 

宝篋印塔(兵庫県指定文化財)〔国分寺〕

姫路城周辺で見ることができる宝篋印塔は「広峯神社」が思い起されやすいかと思いますが、
「国分寺」にも宝篋印塔が存在し遺されています。
こちらは「県指定文化財」に指定されています。
廣峯神社同様に少し距離はありますが、現存する宝篋印塔を見られる数少ない場所と言えます。

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国分寺・宝篋印塔

 

宝篋印塔(国指定重要文化財)〔温泉寺〕

兵庫県下の宝篋印塔には「温泉寺」に遺されているものもあります。
国指定重要文化財指定がされていますので、廣峯神社と同等の重要度で遺されています。
場所が「城崎」になりますので、当サイトはまだ未取材ではありますが、
文化庁のHPにてどのようなものかは知る事ができます。

 

姫路城内の石垣などに転用され消失した宝篋印塔も多くあると考えられることからも、
現存する宝篋印塔は非常に貴重なものであると考えられます。

廣峯神社では土中から掘り起こされて見つかったとありますので、
当時、城の建造にこうした石造品を没収されることを避けるために埋めたのかもしれませんね。

 


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公開日:
最終更新日:2018/01/20

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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