石垣を覆う壁(いしがきを・おおうかべ)
「石垣を覆う壁」は特別な名称と言うわけではなく、
姫路城内の「折廻り櫓」内部で観られる見どころスポットとして、
大天守石垣に沿うように傾斜して仕上げられている漆喰壁の事を示しています。
城内でも壁の内部に石垣が隠れている個所は数箇所ありますが、
漆喰で綺麗に仕上げられ、傾斜が美しく見られるのはこの折廻り櫓でしょう。
「折廻り櫓」の内部は通常は非公開となっています。
2018/02/01~2/28の間の冬の特別公開において内覧時の写真にてご紹介しています。
今回が8年ぶりの特別公開でしたので次回の公開はまた数年後になると思われます。
石垣を覆う壁(いしがきを・おおうかべ)
姫路城の大天守の南東の石垣に取りつくように建てられた「折廻り櫓」は、
その石垣の面が屋内の壁仕上げに斜めの壁として影響を与えています。
姫路城「折廻り櫓」の見どころポイントとして紹介されている
「石垣を覆う壁」についてご紹介します。
姫路城大天守の直下に位置する備前丸北東に、
石垣面に接続して建てられている「折廻り櫓」は、
石垣に沿う緩やかな曲線を描いています。
この曲面は建物の内部に入ると、内壁仕上げの斜め壁として表れています。
1階、2階ともに傾斜壁を見ることができますが、
2階西室の傾斜壁と座敷の趣が綺麗に構成されています。
この廊下部分は厳密には非現存エリアとの接続部にあたる場所で、
建造当初は廊下ではなく、座敷の延長として「御前丸」として呼ばれていた部屋になります。
現在は明治の修復、昭和の修復を経て、この形で遺されています。
階段を昇って2階に上ると、傾斜壁が非常に分かりやすくダイナミックに目の前に現れます。
窓を覗けば石垣の曲線と壁面を同時に見ることができ、
構造が生み出すデザインの美しさを感じることが出来ます。
中室から西室の座敷を見ています。
奥に見える廊下の壁面と座敷内の床の間(?)スペースの壁が共に傾斜しています。
元々はここに壁はなく、座敷が延長していた事が「播州姫路城図(大絵図)」に書かれています。
また当時の間取りでは石垣とは少し間隔が空いていますので、
傾斜壁は部屋内側には表れてきていなかったかもしれません。
※また「収納」も古図には表現されていません。
とは言え、明治の修復にて努力して遺した結果が現在の姿ですので、
「播州姫路城図(大絵図)」以降の城主によって改築がされた可能性もあります。
壁一面に設けられた収納の中央部の床の間スペースには、
傾斜壁がしっかりと表現されています。
西室の東側から見ると傾斜自体は分かりにくいものの、
光をうまく上に反射して、部屋の明るさを感じさせてくれています。
「折廻り櫓」は焼失を免れたものの、修復・復元されるまでは、
火災から29年も過ぎた後の事でした。
その間に自然に荒廃し失われていった部分は多くある事とは思いますが、
それでも桃山様式を感じさせてくれる華麗な造りは、
現存か再興かという議論を超えて、素敵だと感じさせてくれる空間になっています。
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